こちらがクラッチがつながっている時の状態です。
 遅くなりましたが、いろいろなトコで情報を整理してみると、
結果としては、工場出荷時のセットが正解のようです。一番奥にはドライビングディスク(青色)がセットされてないといけません。もしここにドリブンディスク(赤色)がセットされた場合、金属同士が擦れ合う事になり、お互いを傷めあってしまいます。当然、正常に動作する保障はなくなり、最悪の場合はクラッチドラムにプレートが挟まってクラッチが切れたままになり、走行不能となる事があるようです。いろいろなセットをしてみてマトモに動いていたのは”タマタマ”であっただけ!という事です。
 ただ、スリッパークラッチの消耗が激しいのは事実で、頻繁なメンテナンスをしていないと、すぐキレは悪くなるし、そのうちユニット総交換にもなってしまうでしょう。純正スリッパークラッチ一式を買うと、目ん玉飛び出るほど高い値段にびっくりしますよ〜。クラッチプレート、アウターハウジングは他の純正品と変わりない値段ですが・・・・、ドラム等の値段には・・・目がテン・・・・・・。そうなると、迷わず社外品のスリッパークラッチに交換ですね。

 スリッパークラッチのセット、メンテナンスには気をつけましょう!

748RS−2000になると、クラッチの枚数が変わります。
ドライビングディスク、ドリブンディスク共に、9枚の構成のようです。やはり、市販レーサーとなると違います。ただ、このクラッチディスク以外の部品番号を748Rと比べてみると・・・・、全く一緒です。以外というか何というか・・・
ただ、996RS−2000になると、部品番号は違います。そして、パーツリストを見る限りでは、アウターハウジング、インナードラムはアルミ製か?

ちなみに、748RS−2000のクラッチ構成は・・・

748Rです。

上記のクラッチとは全然別物ですね。
インナードラムとフランジは別体で、どちらも鉄製です。(ただし、けっこう肉抜きはされています)
スリッパークラッチ特有のスパイダースプリング(ヒトデみたいなヤツ)も見えます。

これって、一昔前のコルサのパーツなんですね。
プレッシャープレートです。

クラッチディスクとの接触面がかなり荒れています。(最初は、当然綺麗です)

ちなみに、はずす時はどうしてもプッシュロッドがひっついてきます。748SPSも同様、ひっついてきてました。
でも、900SSやM900、748SPではちゃんと車体に残るんですけどねぇ。
どっちが正解なんでしょ?
ただ単にクリアランスの問題?
こんな感じの包装です。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、けっこう隙間だらけです。

これなら、保存状態悪いのも納得できます、
納得したくはないけど・・・
← これですね。
748R購入当時のクラッチセットのディスク構成

車体外側から順に、

@@B@B@B@B@B@BAB

大丈夫かなぁ・・・・・
そして、非合金系乾式クラッチセットは、一般的には、どの順序で構成されているかと言うと・・・
まあ、良い感じにはなったけれど、クラッチ板の消耗自体は解消されていません。特にアウターハウジングとドライビングディスク(青色)の磨耗は、すきま規定値である0.6mm.を大幅に超え、1.4mm.になっていました。


ということで、そろそろ変え時(約8000〜9000キロ走行)と思い、おNEWを発注しました。

ここで、今回は他車の流用は考えず(例えばアルミのヤツにするとか・・)、748Rの純正部品でGO!してみました。この時、期待していた事がありました。それは、ドリブンディスク(湾曲ディスクを含む)が9枚ある事を願っていたのです。これなら、上記の良い感触の構成ができるからです。

うきうき気分で、早速おNEWクラッチを開けてみました。
非合金系クラッチセットのディスク構成

 @2.0mm.厚 ドリブンディスク(赤色部分)      を 8枚
 
A1.5mm.厚 湾曲ドリブンディスク(赤色部分)    を 1枚
 
B3.0mm.厚 ドライビングディスク(青色部分)    を 7枚


を、車体外側から順に、

@-B-@-B-@-B-@-B-@-B-@-B-A-B-@-@


の順でセットするのが一般的なようです。
なお、
Aの湾曲ドリブンディスクは、主にはジャダー対策の為に指定の場所にセットするみたいですが、詳しい機能や理由はわかりません。

DUCATIのジャダー

DUCATIの乾式クラッチは、以前からジャダーという乾式クラッチ特有?の問題を抱えていました。このジャダーは、クラッチをつなぐ操作を行う際に、ギャギャという音(結構大きい音)を出し、繋がりを悪くしてしまいます。最悪の場合は、発進さえ不能となってしまいます。これらは、クラッチ板自体の変形や変磨耗にもつながります。
”とし”が以前乗っていた’92 900SSもこれにはヤラレました。
ジャダーが発生する度に、「今度は、ど・こ・に・し・よ・う・か・な?」と、クラッチ板の順序を組み換えたり、清掃を繰り返していました
「精度が悪いんだよ!」と言ってしまえばそれまでなのですが、これを解消する為に、1995年前後のモデルから8番の右端(左が車体外、右が内側)、いわゆる奥にドリブンディスク(
赤色)を2枚重ねするようになりました。そして、材質の改良?もあってか、以前のように問題とされることは少なくなりました。
結果として正しいのは・・・・・?

すると、


がびーん・・・・・・


ドライビングディスク青色)は7枚、ドリブンディスク(赤色湾曲ディスクを含む)は8枚しか入っていません。そうです。工場出荷時の構成枚数そのままです。
ということは、最初に工場で組んでた状態は正解?という事ですわな。ただし、ドリブンディスク(
赤色)を2枚重ねする位置(すなわち車体内側か、外側か?)についてはどっちが正解かはわかりません。ただ、やはり2枚重ねは、車体内側であるのが正解のような気がします。(確証はないですが・・・)

もう一つ、

がびーん・・・な事がありました。これは事前にほぼわかっていた事なのですが、案の定・・・、新品であるはずのクラッチディスク自体がサビサビになっていました。(これは、以前取った、まつてっく748SPS号の、おNEWクラッチもサビサビだったのです。)
それにしても、新品だぞー!見るからに湿気を吸って錆びましたー、って感じです。たのむよ〜DUCATI、せめてもうちょっとマシな包装にしてくれー!
今回の問題は8番の部分です。
普通、多板クラッチは、ドリブンディスク(赤色部分)と、ドライビングディスク(
青色部分)を交互に重ねることで成り立っています。この並びについて、購入時からちょっと?な点があったのです。
その前に、なぜ並びを気にするのか?
それは、下記の現象がDUCATIでは歴代問題になっていたからです。
下記のパーツリストをご覧下さい。これは、748Rの2000年モデル用です。
748Rスリッパークラッチセットのディスク構成

車体外側から順に、

@@B@B@B@B@B@BAB

これが正解です。
これを2000年の時点で知りたかった・・・・(本音)
こちらは、アウターハウジングです。(黒色部分)

ドライビングディスク(青色)との接触部分がガタガタです。

これじゃあ、音も大きくなるし、切れも悪くなりますわな。

ちなみに、ハウジングの肉抜きはSP・SPS・R系のみです。
748SPSと748Rのクラッチを覗いてみると・・・

まあ、それはそれとして、新品クラッチに換えてみる事にしました。
ここで、一つ考えた事として、ドリブンディスク(
赤色)の2枚重ねをやめてみる事にしました。なぜかと言うと、新品クラッチの枚数構成が上記の通りだったので、2枚重ねをしてしまうと、どちらか一方(外側もしくは内側)にドライビングディスク(青色)がセットされてしまうのを避けたかったからです。
これで組んで、実際に走行してみると、別に不満や気になる点はありませんでした。むしろクラッチが新品になったので、スパスパッとつながり、気持ちよく操作できます。やっぱり新品の良さにはかないませんね。
ここで動きがおかしかったりすればどの組み合わせが正解なのかのある程度の特定ができるのですが、残念ながら特定するにはいたりませんでした。
こんな状態です・・・・ガックシ

これでは、組む前に入念なサビ落としが必要です。
今回はコレで根気よく落としました。


結構時間かかります・・・
それにしても・・・・・
んー? いったい、どれがホントなんでしょう?
相変わらず、正解は暗闇の中のようです。(自分だけだったりして・・)
気にはなっているけど・・・・・

今回は交換を見送りましたモノです。
そして、クラッチを切った状態(プッシュロッドが押された)です。

これ以上ドライビングディスクが出ると、アウターハウジングに収まらなくなります。
時は流れ、クラッチもだいぶ消耗してきました。クラッチの感触が悪くなれば、すぐバラしてバリ取りや組みなおし、エアブローでダストを吹き飛ばしていましたが、そのサイクルもだんだん短くなってきました。そして、ふとある時、実際の装着状態がやはりおかしいのでは?と思い始め、パーツリストやマニュアルとにらめっこしてみました。
ここからです。どツボにはまったのは・・・・
パーツリストを見る限りでは、従来モデルとは構成は一緒みたい。でも部品番号は他モデルとは違う。マニュアル(ワークショップマニュアル)を見ても、取り付けの詳細には触れていません。ただ「クラッチを組んでください・・」的な事しか書いていません。(マニュアルの意味をなしていませんよね?)
困った・・・・・・正解はどうなんでしょ。


そこで、同じく748R(2001年モデル)に乗っている”よしさん”に聞いてみました。すると、はっきりとした答えではありませんでしたが、少なくとも、ドリブンディスク(
赤色)の2枚重ねは、車体内側(指定通り)という事でした。それと、「最初に組んでいる通りに組みなおしているだけですよー」とも。
こっちも最初の通りに組みなおしているのに、どうして違うの?イタリアンにやられたか〜?
納得がいかず、今度はまつてっく748SPS号を確認してみました。すると、748SPSは上記ノーマルな組み方になっていました。(まあ、スリッパークラッチじゃないから当然か?)


ここで、748Rのクラッチを眺めていると、どうももう一枚ドリブンディスク(
赤色)が入りそうな気がしてきたので、早速、かいのう号748SPの余っているノーマルクラッチ(STMスリッパーに換えているので余っていたのだ!)から、ドリブンディスク(赤色)を1枚拝借してきて、上記のノーマルな組み方で組んでみました。すると、なんとまあ、ピッタリじゃないですか!?
クラッチを切ってもアウターハウジングに収まりきっています。
じゃあ、走ってみてどうなの?という事で、早速試走してみました。
最初にクラッチをつないだ瞬間、違いははっきりとわかりました。超goodです。もう「クラッチひっつきまくってます!」とばかりいい感じです。今までの頼りなくつながる感覚が見事に解消されました。

やっぱりコレが正解なんだー!と、この時点では確信しました。
と同時に、「DUCATIさん、たのむよー・・・」と生産ラインでの組み違いとも確信しました。
ところで、748Rのクラッチは他のモデルとは違っていて、唯一DUCATIのラインナップの中で、スリッパークラッチ(いわゆるバックトルクリミッター付き)が標準装備となっています。実はコレ、1995〜96年辺りのコルサ(市販レーサー)のパーツそのもので、いわゆるレーシングパーツそのものが装着されていたのです。
という事は・・・・・耐久性は無視?ですか?・・・・
748Rを購入して、最初にチェックしたとき、実は、ドライビングディスク(
青色)の2枚重ねは、車体内側ではなく、車体外側で2枚重ねになっていました(上記の一般的な構成とは逆!)。そして、ドリブンディスク(赤色、湾曲ディスクを含む)−8枚、(1枚少ない!)、ドライビングディスク青色)−7枚、で構成されていました。
当然ながら・・・おいおい!ちょっと待てよー。どういうこっちゃねん。
他モデルと構成が違うのです。しかも2枚重ねは車体外側で!
購入当時、パーツリストやマニュアルといったものはまだ存在しておらず、「最初にこう組みつけられているのだから、これが正解なんだろうなぁ」と信じるしかありませんでした。
ここで、DUCATIの乾式クラッチについて
整理してみますと・・・・
クラッチ、どれがホント?
DUCATIの乾式クラッチについてちょっと。
今回、748Rのクラッチ板を換えよう!という事で、おNEWのクラッチプレートを仕入れてまいりました。
別に交換自体はたいしたことはないものなのですが、実は、748Rを購入した時点から、不思議に思っていたことがあるのです。
D'S ROOM TOP
748SPSです。

インナーのドラムは、アルミの一体モノです。SP系モデルの乾式クラッチは、こんな感じです。

クラッチスプリング固定のネジ山部分の肉厚が厚いです。
今回748Rにセットしたクラッチセットのディスク構成

車体外側から順に、

@B@B@B@B@B@BAB@

現在のところ問題はありませんです。ハイ。
Bドライビングディスク(青色
@A ドリブンディスク(赤色
クラッチプレートの種類

916SP,916/996SPS,996R系は、合金系の乾式クラッチセット
上記以外のモデル(748/916/996系、SS系、M系)は非合金系乾式クラッチセットを採用しています。

スーパーバイク系の最上位機種以外は、非合金系乾式クラッチセットだということですね。
また、748/916/996のSP、SPS、Rモデルはアウターハウジングが肉抜きタイプとなっています。ただ、鉄・・・・です。(現行999はアルミです。)


ちなみに、現行2バルブ系の750cc以下のモデルは湿式クラッチを採用しています。