赤外線センサーを利用した計測を行う場合は、発信機と受信機(バイク側のコントロールユニット)の双方にてチャンネルを合わせておく必要があります。(16チャンネル持っています)また、他チームが同時に同様の赤外線センサーを利用している場合は、チャンネルがバッティングしないようにする必要があります。でないと、1周で複数回のセンサー感知をしてしまうため、正確な計測ができなくなります。
シートカウルをセットした状態で、ダクトから手を入れれば、コントロールユニットのON/OFFができるようにしています。
(走行直前に、面倒な作業なしで電源ONができます!)
コントロールユニットから出ている2本の配線は、専用の延長コードを使用し、車体右のフレームをたどりながら、ディスプレイと赤外線センサー(どちらもヘッドライトケース周辺)まで伸びています。あと、このユニットからは、プリンターへのデータ出力とパルスセンサーを取り付ける事によりエンジン回転数(MAX,MIN,常時回転数表示)も拾うことができます。このパルスセンサーはクリップをプラグコードにつける事により回転数を拾うのですが、きちんと拾えるものと拾えないバイクがあります。BMWではOKでしたが、DUCATI4バルブモデルではとんでもない数字を表示してしまいます。この場合は、電気式タコメータに通じている配線(すなわちコンピュータBOXにて把握している回転数)から拾うのが良いかと思われます。ただいろいろと配線変更の作業が面倒かつリスクがあるので、回転数表示はあきらめてラップタイム機能のみ使用しています。(笑)
そして、こちらがマシン側の赤外線センサーです。これはDUCATI748Rへの装着例です。
固定はいたって簡単!タイラップでメーターのステーに固定してあるだけです。
TIサーキットの場合は、時計周りでピットは内側となりますので、車体右へのセンサー装着となります。オートポリスの場合は時計周りですが、ピットがコース外側となりますので、車体左側にセンサーを装着するようになります。
上記のように装着するだけです。マシンへのセンサー取り付け時の注意点は、できるだけ発信機からの赤外線受信を真っ直ぐ受けれるよう、路面に対して平行に装着することです。もう一つ、赤外線受信を確実にするために、できるだけセンサー周辺部の障害物がすくなくなる位置を選択することです。
発信機は、できるだけコースのストレートに設置するほうが良いようです。ちなみに、一度TIサーキットのパイパーコーナー出口に発信機を設置してみましたが、マシン側で受信できず、ラップ計測ができませんでした。コーナー出口でのマシンの起こし具合と発信機の設置角度(特に垂直方向)が、うまくかみ合わなかったようです。(できると思ったんだけどなぁ・・・残念)
一番は、やはりメインストレートへの設置みたいです。できればチェッカーラインに近い部分に設置すると、実際のレース時とほぼ変わらない計測環境となります。ただ、1コーナーに入るまでにきちんと目視で確認できる余裕がある位置にしておかないと、せっかくラップ自動計測をしても、走行中でのリアルタイム確認ができず、意味をなしません。
もう一つの装着例です。
こちらは、まつてっく氏のDUCATI748SPSです。こちらはレース用のアルミカウルステー(当然マツテック製です)に、ラップモニター用の設置スペースを確保し、ディスプレイを両面テープで貼り付けるだけでOKです。
サーキット走行用に割り切れば、こちらの方が良いでしょう(シンプル!)
もうひとつのLAPCOM装着例です。
これは、かいのう氏の748SPにセットしていました。(過去形)
こちらは上位機種となり、様々なセンサーを取り付けることにより、水温センサー他、多機能となります。
何気なくセットしていますが、取り付けステーやセンサー取り付け等、苦労して製作加工しています。
皆がそろって普通のラップタイマーを買うところ、一人だけちょっと懲りすぎて上のLAPCOMを買いました。こちらは上記の通り多機能になると共に、既存のメーター一式をはずす事が可能になります。
タコメーターもスライド式のデジタル表示(数字表示もできます)となります。ただ個人的な見解としては、やはり針による表示の方が視認性が良い気がするのですが・・・・・
で、気がついたら、元のSTACKメーターに戻っていました。(やはりステッピングメーターが良いです!)

ただ、このメーター一式はポン付けというわけにはいきません。きちんと機能するまでに多々のハードルを越えなければ正常な使用状態とはなりません。
ラップタイマーによる自動計測
こちらが、バイクにセットするコントロールユニットです。これもDUCATI748Rへの装着例です。
黒い箱がユニットで、支えるためのステーは製作イメージを伝えて、マツテックにて製作してもらいました。ステーはステン製とし、ユニットの横にあるネジ穴を利用し、CPUボックスの取り付けボルトと共締めとしています。(CPUの上に置くイメージですね)
この位置にセットすると、シートカウルとのクリアランスはギリギリOKです。(シートカウルのフィッティングにもよりますが・・・)
NIKOCHAN TOP
2002シーズンより、当にこちゃんレーシングではラップタイマーによる自動計測を開始しました。
それまでは、当然ながらピットクルーによる手動計測で行っていました。もしくは、マシンのトップブリッジにラップタイマーを取り付けて、ライダー自身がストレート等で目印を決めた上でボタンを押して、自身の計測を行ったりしていました。
むろん、手動によるラップ計測でも、せいぜいコンマ?秒位しか誤差は発生しないはずですが、いろいろとピットクルーへの負担がかかったりしますし、ライダーが自身の計測を行う場合は、走行への集中力に支障をきたす場合もありました。
そして何よりも問題?となったのは、手動計測でのタイムは公式タイムとは信用してもらえない事でした。<−−これは一部の人が言っていた事ですけどネ!(笑)
まあ、それはそれとして・・・・
当チームでは、パーカル(PERCUL)というメーカーの自動ラップタイム計測システムを全員で共同使用しています。2輪業界ではP−LAPUが主流ですが、当チームの地元メーカーである、パーカル製を使用する事となりました。

このパーカルは、カートや四輪業界では広く使用されているようです。高性能製品になると、いろいろセンサーを取り付ける事により様々な情報を取得してセッティング等にも役立てる事ができるようですが、当チーム程度のレベル(爆)ではそういった物が必要になるはずもなく、現時点ではラップタイムの計測のみ行っています。

この製品は、赤外線による計測を行います。赤外線発信機をストレートの任意の場所に設置し、マシンでその赤外線をセンサーで感知するシステムです。また、P−LAPUと同じく、サーキットの路面に埋め込まれた磁気を感知する磁気センサータイプにする事もできます。(むろんセンサーを別途購入する必要はありますが・・・)
これが赤外線発信機です。一回の充電でほぼ丸一日の走行中、電源をONにしたままで使用する事ができます。
このようにコースに対して真横から赤外線を真っ直ぐ発せられるようセットしておきます。
ディスプレイです。
”とし”のDUCATI748Rの場合は、スピードメーターをつけたままにしているので、スピードメーターの上にテープで固定してセットしています。
結構単純な装着例です。
ディスプレイの設置場所については、まず第一に”視認性が良い”事が条件となります。
よくトップブリッジにディスプレイをセットしているのを見かけますが、あまりオススメはできません。確かによく目に付いて気軽にセットできる位置ですが、走行中にトップブリッジにセットされたディスプレイを確認しようとすると、視線と頭の位置を動かし、わざと下を向いてラップを確認しなければなりません。これは、結構走行中のジャマとなり、あまりライディングに集中できません。
できれば、スクリーン越しに前に視線を向けている状態の中で、自然に目に入る位置にセットするのが望ましいです。(かと言っても、多少視線をずらす必要はありますが・・・)ここで、タコメーター周辺の視認性の良い場所を選ぶわけです。これなら、あまりライディングの妨げになりません。
ディスプレイ自体は小さいので、あまり場所もとりません。まつてっく氏の場合はディスプレイを直接アルミステーに貼り付けていますが、”とし”の場合はオプション販売のディスプレイベース(ゴム製)を購入し、ベースの中にディスプレイをはめ込んで、タコメータ上に貼り付けています。(ディスプレイのみを貼り付けようとすると透明のメーターパネルに貼り付ける事になります(コレが嫌だった・・)が、ベースを介すると、メーターリングにうまく引っかかるので、都合が良かった・・のが理由です。)